アトラス販売のシューティング。
敵の能力を奪ってパワーアップするのが
最大の特徴。

アイディアは優れているのだが
画面が当時のSFCとしてはややチープ。
基本的な部分がやや残念な出来に
落ち着いてしまっているのが残念。

既にグラディウス３が発売されており、
奇しくも
同日にメガドライブではサンダーフォース４が発売され、
ファミコンですら
同年に「烈火」が発売されるという
シューティングの名作が多数生まれた年だっただけに
残念さが際立ってしまっている。

まず、爽快感が少ないのが残念。
パワーアップしても
当たり判定だけがやたらと大きくなってしまうだけだったり、
自機のスピードがやたらと速くなってしまい
操作するだけで精一杯になってしまうなど
恩恵が少ないのが残念。

自由度が高そうに見えるシステムながら
実際は特定のルートで敵を倒して
進まなければならないという
自由度の低さが残念。

演出も
サンダーフォース４やグラディウス３と
比べてしまうこと自体が
間違いといったレベルで
SFCのシューティングとして考えても
レベルは低い。

面構成は
この当時の横スクロールシューティングに
良く見られた現象である
「R-TYPEに似ている」と思える内容。
もちろん、数年前に発売された
PCエンジン版R-TYPEのほうが
はるかに出来栄えは上を行っているのが寂しい。

難易度は非常に高く、
クリアーは困難。
ゲーム自体の出来が悪いだけに、
プレイする上での失敗は
ゲームシステムが悪いのか、
自分が悪いのかということまで
疑問に思ってしまうほど。

唯一、音楽はそれなりに聴ける出来に
仕上がっているのが救い。
音楽の良いシューティングに良作は多いという
法則は見事に覆されているのが寂しい限り。

クソゲーなのか？という目で見ると、
メガドライブにおけるソードオブソダンや
サターンのデスクリムゾン、
PSの里見の謎のような
強烈な印象も特に見受けられず、
ゲームとしてそれなりに楽しめてしまうので
クソゲーとして扱うことすら躊躇してしまう作品。

メガCDのバリアームは
何もかもが普通すぎて
よくも無く、悪くも無い代表のようなソフトなのだが
こちらは
悪いのだがクソゲーではないという
もっと微妙な位置に存在するソフトといえると思う。

微妙なゲームというカテゴリの中では
ぶっちぎりの１位を取れてしまえそうなソフト。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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