(MD)ウィザードオブイモータル の通販

ジェネシス(海外メガドライブ)で気を吐いた
エレクトロニックアーツの海外作品の移植。
メガドライブの海外作品は
まともなローカライズもせずに
海外そのままの仕様で売るソフトが多いのだが
「イモータル」については
きちんと日本語ローカライズがされていて
敵のセリフやアイテム入手時、寝るときなどは
日本語で説明される。
パッケージも日本語化するといった力の入れよう。

メガドラ全盛の海外ゲーらしく
難易度は非常に高い。
特に謎解きの難易度が高く、
説明書には最初の階の攻略法が
細かく示されている程。

重要人物をファイヤーの魔法で焼き殺すと
先に進めなくなる、
古代文字を読むとゲームオーバーになるといった罠も
多数用意されており
謎解きは非常に難しい。

主人公は特に正義感溢れるわけでもないので
敵を倒すときには
真っ二つに切り裂いたり
魔法で粉々にしたり
首をはねたりと
実に様々な方法で敵を惨殺する。
全体的に動きが滑らかに作られているので
グロさも倍増。映画「シュレック」に出てきそうな敵キャラクタが
血も容赦なく吹き飛ぶ。
謎解きも敵を毒殺することが答えになっているといった
およそ正義の味方とは考えられない正解が用意されているあたり
当時の洋ゲー風味を存分に味わうことができる。
突っ込みどころは数多く、
見た目はホラーな内容ながら
真面目に考えると不自然すぎて
笑っちゃうような場面も多い。

戦闘も独特で
左右に避けるか攻撃するかを選ぶ
単純なものとなっており、アクション要素が強い。
敵を空振りさせて疲れさせた後で
こちらが連続攻撃を行うといった
独特の戦闘は慣れるまで少々辛い。
左右に避けている姿は
ともすれば踊っているように見えるので
コミカルなのだが
敵にトドメをさすとスプラッターな演出が待っており
コミカルさとグロさが絶妙な割合で入っているといえなくも無い。

グラフィックは繊細で動きも細かいのだが
理不尽な謎解きの難易度の高さや
スプラッター演出をあわせて考えると
極めてクソゲー風味を帯びたきわどい名作といえなくもない。

謎解きをいったん理解し、クリアーできるようになると
とたんに名作に感じられるから侮れない。
メガドラの少ない色数で表現された
グラフィックは美しいし、
ビープ音のように聞こえるＢＧＭも
独特の雰囲気を演出していると考えると
実に味わい深い。

外人のひとりよがりな感性をそのまま
製品化させてしまったような作品であり
このゲームがもし日本で制作されていたら
トンガッた部分が無くなって
特徴が少ないゲームになっていたのではないかと思う。

穴落ちで一発死といった
高難易度ゲームながら
理不尽すぎる謎解きと変すぎる戦闘が忘れられない作品。
クソゲーで終わらせてはならない光るものを持つ作品だと思う。
謎解きさえ理解してしまえば
非常に楽しく遊べるソフトなので
ギリギリのラインで
神ゲーからバカゲーに転落してしまった
ソフトということができるかもしれない。

日本製ゲームの丁寧な作りとはかけ離れた
ぶっ飛んだソフトであり
高い技術力の無駄遣いともいえる作品なので
勢いのある洋ゲーを求めている人にはオススメ。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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