名作「ＧＢＡ　鉄腕アトム」を作ったプロデューサーがリリースした
ブラックジャックのＤＳ作品。

手術シーンはＤＳのタッチペンで行うので
「カドゥケウス」や「天道独太」のような
手術主体のゲームを連想させられるのだが
実際は少し異なる。

漫画が表示され、手術中のストーリーが
流れている間に
手術のコマンドが表示されるというもので
ビートマニアのような音楽ゲームのイメージに
近いゲーム性となっている。


漫画を読みながら
コマンド入力していくといった印象。
ブラックジャックの原作のイメージを損なわない
漫画が読めるのは○なのだが
ブラックジャックの手術をゲームで体験したいという
希望を持っている人には
やや期待はずれかもしれない。

手術シーンは前半、後半と分かれていて
後半のシーンは
手術シーンをタッチペンで操作するといった
手術ゲームらしい内容になっている。
但し、こちらもゲーム性重視となっているので
手術っぽくない操作を要求されることもある。

タッチペンを用いたゲームとして考えれば
ゲーム性重視というのはアリなのだが
手術の体験を重視するユーザーには
やや期待はずれだったかもしれない。

圧倒的な知名度の「ブラックジャック」という題材だけに
手術シーンは本格的なものを豊富に用意されていれば
よかったのではないかと思った。

難易度は適切。
最後のほうは難易度が上がるものの
アイテムさえ用意していれば
ある程度難易度が軽減されるので
初心者も安心して楽しめると思う。

プレイ時間は短めなのだが
ストーリーを進めるために必要なお金が足りないと
お金を集めるために
何度も同じ手術を行わなければならなくなり
ゲームクリアまでの時間が飛躍的に延びてしまう。

私は序盤から
アイテムを大量に買い込んでしまったため
後半は殆どお金稼ぎのために
同じ手術の繰り返しに終始してしまった。
手軽にクリアーするためには
お金は終盤まで使わないことをお勧めしたい。

原作の再現性は抜群。
原作漫画のよさを分かっている人が
作ったゲームといった印象。
他の手塚作品のキャラクタが多数登場するのも素晴らしい。

手術ゲームを体験したい人というよりは
手塚作品を愛する人向けのゲームに仕上がっていると思う。
最後はきちんと感動させてくれるので
「ＧＢＡ鉄腕アトム」で感動した人にもお勧め。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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