(SS)魔導物語 の通販

ＭＤ，ＰＣＥ，ＳＦＣ版とは異なり、アルルが１６歳の頃の魔導物語。
同じ題名ということで
ＭＤ，ＰＣＥ，ＳＦＣと比べてしまいたくなるものの
ストーリーや登場キャラクタが違うために
別物と考えたほうがよいかもしれない。

表情によるＨＰ表示は廃止され
普通のＲＰＧのように数値表示となり、
３Ｄダンジョンも廃止されて
２ＤのＲＰＧとなった。
「ＭＯＴＨＥＲ２」のような表示は擬似３Ｄ表示で
独特の味がある。
戦闘も、ＳＦＣ版にあった漫才デモの類はなくなった。
ＭＤ版にあった「アイテム合成」や敵を召還できる「Ａカプセル」システムが廃止。

システム的には魔導物語らしさを失ってしまったのだが
他機種ではなしえなかった
魔導物語独特の世界観の構築には成功していると思う。

「ぷよぷよ」のキャラクタが普通に生活する
町並みを再現し、この世界観にどっぷりとつかりながら
遊ぶことができるのはうれしい。

ルルー、シェゾといった強烈な個性を持つキャラクタのやり取りは
非常に楽しい。
漫才のような掛け合いを楽しみながら
旅をする楽しみを味わいたいという人には
オススメのソフトといえる。

ＭＤ，ＰＣＥ，ＳＦＣのいずれの魔導物語も
見た目は非常に簡単そうなのだが
実際のクリア難易度は高いという欠点があったのだが
本作品は非常に難易度が低い。

戦闘で負けるとゲームオーバーで
セーブしたところからやり直し、というシステムは健在なのだが
経験値かせぎをしなくても
そうそうゲームオーバーになることはないのではないかと思う。

秀逸なのが、ダンジョンマップで
矢印がついて先が見えなくなっている演出。

戦闘を挟むと
どこへ行って、どこへ行かなかったか
忘れてしまうのをうまく防いでいて
無駄な堂々巡りを防止しているのが素晴らしい。

とにかく矢印が表示されているところを進めば
まだ行っていない場所にいける仕組みとなっている。
本作品は非常にややこしい迷路がたくさんあるものの
このシステムのおかげで
殆ど迷うことが無いのは素晴らしい。
しかも、ダンジョンを出ても
一度行った場所を記憶してくれるのは非常に親切だと思う。

また、日記システムも○。
これは、今までのストーリーと次に行くべき場所を
日記形式でつづっていくものだが
何日も遊んでいなかった場合など
ストーリーを忘れてしまった人が
次にどこへ行けばよいのかが
わからなくなってしまうことを
効果的に防ぐ役割があり、地味ながら効果的だと思った。

本作品は戦闘読み込みを軽減する工夫がされていて
ダンジョン移動中に読み込みし、
戦闘は一瞬で始まって
戦闘後は経験値表示中に読み込みすることで
読み込みストレスを感じさせないことに成功している。
さらに、戦闘ではある程度の容量の読込が行われているため
高品質な画面で迫力ある技が繰り広げられる。

戦闘は２Ｄ絵のように見えるが
随所にポリゴンが使用されていて
高品質画面＆ダイナミックな動きが両立された、素晴らしい
出来栄えに仕上がっていると覆う。
サターンＲＰＧの中でも上位に位置するクオリティだと思う。

戦闘頻度は普通。
後半のダンジョンでは、この戦闘頻度でもイライラする人がいるかもしれない。
１度の戦闘が長めで
弱い敵が現れなくなるようなアイテムが無いため
後半のダンジョンは
時間がたっぷりあるときに遊びたいところ。

画面はさすがにサターンだけあって
ＳＦＣ，ＭＤ、ＰＣＥと比べても高品質。
アーケードカード装備でまさしく
次世代機並に美麗な画面を実現させた
ＰＣエンジン版よりもさらに美麗となっていて
魔導物語最終作として相応しい出来栄えだと思う。

本作品はストーリー性が最も充実しており、
最初から最後まで楽しく遊べると思う。

クリア後は高評価となること間違い無しの本作品は
プレミアソフトに相応しい気迫の出来栄えなのではないかと思う。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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