洗練されたグラフィックと渋い登場キャラクタ、
何重にも張り巡らされた伏線と
意図的に省略されたストーリーの説明による
難解なシナリオが特徴。

独特の移動システムを駆使することから
非常に難しいソフトを連想してしまうが
意外にも難易度は極めて低い。

何も起こらない場所はコマンドを選べないという
仕様になっているので
「何か起こる」太陽マークに移動して
関連するコマンドを使うだけで
先に進めるようになる。

バッドエンドやゲームオーバーもなく
分岐も存在しない。
パズル的要素の謎解き部分も
説明書に答えがズバリ載っていて
クリア不能になる事態はほぼ解消されていると
いえる。

ストーリーを進めて
エンディングを迎えるのは
時間さえかければそう難しくはない。

但し、ストーリーの全容を理解するのは非常に難しい。

１本のシナリオから
意図的に説明を省き、時間軸を飛ばして
さらに２人の視点からの物語に分割。
空白部分はユーザーの想像に任せられる。
２回目のプレイで
ようやく１回目のプレイで謎だった部分の理解が
出来る（つもりになる）といった作りとなっている。

射殺など暴力的なシーンが多く暗い話が多い。
登場人物も
ひとくせ、ふたくせもある
濃いキャラクタばかりで
どの人物も性格はあまり良くないなど
プレイしていて気分を陽気にさせる要素は無い。

ＰＳ末期だけあって、ポリゴン描画部分は
洗練されているのだが
今見るとやはり見劣りしてしまう。

移動等の操作が
ポリゴン空間で行われるので
今のゲームに慣れた人だと
チープに映るかもしれないのが残念。

実写、アニメ、ＣＧなど
その場面に応じて表現が変わるのは○。
文字や風景表示ウインドウが
その場面に応じて
大きさが変わる演出はカッコよく、
全体的にクールさが漂う作品になっている。

アドベンチャーゲームとして考えると
極上の逸品。
クリアーしても
色々と考えさせられる名作。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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