(PCCD)アルザディック の通販

当時、ゲームソフトとしては破格の2980円で発売された野心的なソフト。
この時期、夏はハドソンが
全国キャラバンというイベントを毎年開いており、
その場所でもらえる「ガンヘッド・スペシャルバージョン」とか
「スーパースターソルジャー・スペシャルバージョン」といったソフト目当てに
多くのゲーマーが夏のキャラバンシューティングを
遊んだものだった。

それに対抗してナグザットも91年より夏にサマーカーニバルという
イベントを開催するようになり、
これはその92年版として開発されたソフトである。

92年のソフトは、アルザディックに、ファミコンの「烈火」も
対象となっている。
どちらかというと、HUカード自体を作る加賀テックが主体の
ナグザットという会社なので
アルザディックが主体で、「烈火」はその名の通り
「劣化版」としての位置づけだったのだと思うが
意外にも烈火のゲームとしての出来が異常に高く、
ファミコン屈指のプレミアげーとなる一方で、
姉妹作品のアルザディックはそこそこのプレミアで落ち着いている。
（それでも、プレミアに名を連ねるのは素晴らしいことなのであるが）

ゲーム自体の出来は良好で、
2重スクロールや敵キャラクタの破壊パターンが凝っていることから
ファミコン版烈火より高級なイメージを受ける。
何より音楽が素晴らしい出来栄えであり、
地上物を破壊する楽しさもあって
シューティングとしての出来は良い。
それでも、2分、5分モードだけという内容は淡泊で
スコアを追求する目的でない場合は
すぐ飽きてしまう可能性があって
それほど評価はされなかった。

特に、とってつけたような「ストーリーモード」を
搭載したのがまずかった。
これは、2分、5分モードに暴投とラストの文字による
背景説明だけを入れただけのものであり
手抜きと言われても仕方のない出来栄えである。
このモードが入らず、単純に2分、5分モードだけの
内容だとしたら、それなりの評価が下ったのではないかと
思われる。

今回のストーリーモードのあまりのずさんさを反省したのか、
翌年の「ネクスザール」では逆に
凝りに凝ったストーリーモードの名作シューティングに
スコアアタックモードをつけたものを
販売するという手法に切り替えるが
こちらも、単体のネクスザールを買った人からは
後だしで廉価版を出された不満が出て、
廉価版を買った人からは
単体版のストーリー説明が省かれている不満が出るという
どちらつかずの結果となり
結局サマーカーニバルの成功作品は「烈火」と「精霊戦士スプリガン」
のみとなるということになってしまっている。

2分、5分モードは戦略性があり、ハイスコアを追求すれば楽しめる。
音楽も素晴らしいので、コレクションとして持っておきたい。

これとは別に、タイムアタックモードをつけた「コリューン」というゲームを
発売しているのだが、このソフトはサマーカーニバルとは
関係ないソフトなのだがこのソフトのタイムアタックモードが非常に好評で
しかも、コリューン自体が烈火を凌ぐほどにプレミアソフトとなったのは
運命の皮肉というべきだろう。



文：中古ゲームジャパンてんちょー
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