ファミ通殿堂入りソフトなので無難なつくりかと思い
プレイしてみたところ
実写風のフクロウのインパクトの大きな画面に驚いた。
ゲーム風の画面ではなく、
無機質に写真を貼りつけただけの画像で
見た目は完全にイロモノゲームのような印象。

ゲームをはじめてみると
これまたインパクトの大きな
モーニング娘。の実写風のキャラクタが登場し、
可愛いというよりも怖いディフォルメ。

ファーストインプレッションが非常に悪く、
電源をつけただけでクソゲー認定してしまいそうな
インパクトの大きな画面なのだが
実際のゲーム内容は
任天堂のゲームに通じる丁寧さと作りこみで
これまた驚かされた。

ゲーム内容は拾ったものを店頭に並べて
商売をはじめ、元の場所に戻るために必要な
１００万リムを溜めるというものなのだが
チュートリアルが丁寧で
イベントも多く、
ものを拾う→売るの単調な繰り返しに
ならない工夫が素晴らしい。

モーニング娘。のキャラクタも
非常にピュアな性格付けがなされていて
最後には感情移入してしまいそうになったほど。

リリパット王国はのほほんとした世界観で
登場人物は皆いい人だらけ。

店の外に転がっているようなものを
平気で有料で買っていくことと
拾ったものをあげることで好感度が上がるといった
ゲームの仕組み上の矛盾も
この世界観であれば許されるのではないかと思う。

話は単純なのだが
最後はきちんと感動させてくれる丁寧な作り。
好感度を上げたキャラクタによって
エンディングが変わるといった
ツボもきちんと抑えているのが○。

店番は楽しい。
物がどんどん売れていくのは爽快。
ネットショップをやっているのだが
このような短い時間でぱっぱっと売れていくことは
殆ど無いので
この売れっぷりは思わず笑ってしまうほど。
売り切れたものを補充する作業は
ネットショップ運営の感覚と変わらないと思う。

イベントが頻繁に起こるので
飽きることもないのが○。
ゲームのボリュームは少なめなのが残念なのだが
その代わり密度が濃く、
好きなときにエンディングを迎えられるシステムなので
やろうと思えばいつまででも
リリパット王国にいられる奥深さも素晴らしい。

第一印象が非常に悪い点を除けば
丁寧に作られた名作に仕上がっていると思う。

ファミ通レビューではきちんと殿堂入りしている。
ある程度プレイしないと、このソフトの素晴らしさは
伝わらないので、
真摯にプレイして評価しているのだと再認識。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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