(DS)天外魔境2 MANJIMARU の通販

名移植作品。
RPG至上最高の作品ともいえる天外魔境Ⅱを
携帯に再現し、遊びやすさを向上させた
理想的な作品。

戦闘バランス、レベルの上がり方、金の溜まり方は
ほぼPCエンジン版と同等。
すぐにレベルが上がり、敵が弱かったGC版と比べると
難易度は向上したともいえる。

フィールドや町のマップに３Dを使っておらず、
PCエンジン版そのまんまの画面を使用している。
１９９２年当時の画像とはいえ、
美麗な画像を誇るPCエンジンの最高峰のソフトだけあり、
今DSでプレイしても充分遊べるできばえ。

上画面にマップが表示されているのは非常に親切。
町の中のマップまで表示されているのは○。
また、ダンジョンのマップは表示しないのも
難易度を保つという意味で○。

ビジュアルシーンはPCエンジン版そのまんまといった感じで
DSでありながら声は全て収録されている。

音楽はCD音源のものはそのまんま収録され、
それ以外の音源はGC版のものを使用している。
PCエンジン版のCD音源以外の音楽は
チャチな印象だったので
名アレンジだと個人的に思っているGC版のデータを
使っているのは○。

冒頭の高山祭りでは、
車輪の動きが音楽に合っていないなど
データをそのまま持ってきたための弊害があるが
それほど気にならなかった。

戦闘シーンの背景追加と顔グラフィックも○。
ダメージを受けると顔が変化するなど、
数値だけの表示よりわかりやすくなっている。

CERO基準に合わせるために
ビジュアルシーンなどの修正を行っているが
徹底されておらず、かなり危ない会話が
そのまま残ってしまっているのが気になった。

たとえば、弁天塔の右下のほうにいる女中が
「耳掻きと耳では耳のほうが気持ちいいんだって！
女に生まれてよかったー！」と言っていたりする。
菊五郎の予定表とダブルベッドがそのまま残って
いたりする。

人を豚に変えられる話も
途中で「死霊銀ハエ」を食べていたという話に
摩り替わっていて、話の矛盾が気になった。

また、ペンを用いた操作はやりづらい。
戦闘の新要素である秘奥義も戦略性が感じられなかった。
攻撃に大、小を付けることが出来る
システムなのだが
敵を眠らせた後だと
「飛び蹴り　小」も「飛び蹴り　大」も
両方必ず効くので
飛び蹴り　大　で攻撃することになる。

敵が止まった状態でなければ
基本的に成功率が異なるのだが
例外もある。

極楽太郎の「大振り」は
敵が１体だと１００％ヒットする。
それも大、小と選べるので
敵が１体であれば大降り　大　で
攻撃すればよいことになる。

秘奥義システムは
無理して使う必要は無いので
素のゲームバランスが厳しいと
感じる人や
低段プレイを試す人が使えばよいのかも
しれない。

シナリオは
今改めてみても秀逸。
人の会話は生き生きとしているし
ゲームのヒントにならない会話でも
天外の世界の深さを感じさせるような
言葉が多い。

しかも、ストーリーの進み方で
会話内容が変わってくるのも素晴らしい。

一度クリアーした国も
助けた人の話を聞きたくなり
また訪れたくなってしまう。

とにかく深く、面白く、密度が濃い作品なので
未プレイの人はお勧め。

DSなので当然だが
CDの読み込み時間が
全く無いのは素晴らしい。

読み込み、待ちに関しては全く問題ないのだが
宿屋でセーブするときに
泊まりの音楽が鳴り終わるまで待たなければ
ならないのは唯一残念なところか。

音声を切ってプレイしても支障が出ないように
全てのビジュアルシーンに
字幕が搭載されているのも親切。

必要な部分のリメイクが優れていて、
残すべき部分はきちんと残されている、
ニンテンドーDSのRPGの中では
圧倒的な完成度の１本。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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