良く出来たピンボールゲーム。
ソニックのピンボールといえば
メガドライブで発売された
「ソニック・スピンボール」を思い出すが
あれとは別物。

結論から言えばかなり
ストイックな正統派のピンボールに
仕上がっている。

ボールの動きはやや軽めでゆっくり。
目で見て対応できる速度なので
初心者も安心してプレイ可能。

また、開始からしばらくの間は
ボールを落とすしても「ボールセーブ」となり
ボールロストせずに遊ぶことが可能。
この「ボールセーブ」の時間は長く、
なかなかボールロストにならないので
１プレイの長さはやや長い。

画面上の演出は控え目で、
ボーナス時のリングが画面上に現われる演出等を除けば
極普通のピンボール。
「ソニック」シリーズなのにスピード感がほぼ無く、
どちらかというとじっくり遊ぶタイプの
ゲームになってしまっているのは賛否両論ありそうだ。

同じＧＢＡのピンボールである
「ピンボール・オブ・ザ・デッド」と比べると
仕掛けは少ない。
また、仕掛けとはいっても
ループを通過すると点数がもらえるといった
類のものが殆ど。
過剰な演出を期待している人にはかなり
拍子抜けするゲーム内容に映りがちだ。

ただし、ピンボールとしては物凄く作りこまれていて、
フリッパーの跳ね返すタイミングが同じでも
ボールの跳ね返る場所が異なるのだが、
その跳ね返りが納得できる出来栄えとなっていて
慣れればどのような速度でも
思った位置に打ち返すことが可能となっている。
この微妙な感覚は
かなりプレイを繰り返さないと気づきにくいと思う。

また、台揺らしが何度でも可能となっていて
ボールが空中にういたままの状態を作り出すことも可能。
個人的には、台揺らしは制限があってよかったと思った。

ストーリーモードは難易度が高い。
全ての面のクリアーが必要となるステージや
相手より高い点数を要求されるステージがあるのだが
どのステージもぎりぎりのバランス設定となっていて
やり込まなければ
とてもクリアーできない難易度。
また、点数取得のステージは
どのようなボーナスを取得すればクリアーに近づけるのかを
自分で編み出さなくてはならないので
繰り返しに加えて試行錯誤が必要となる。

このゲームは曲が素晴らしい。
ソニック面は各ソニックシリーズの名曲を
取り揃えていて、
クリアー時のＳＯＮＩＣ　Ｒの曲などは
最高の出来となっている。

ナイツの曲も○。きちんとエフェクト音まで
ナイツの曲が使われているのも良い。

サンバＤＥアミーゴの台は
オマケ程度の出来栄えに落ち着いてしまっているのが
残念なのだが、ソニックチーム製作の
名曲を聞けるというのは○。

このゲームはチャオを育てたり
対戦ミニゲームがあったりするのだが
本編のピンボール台と比べると
本当にオマケのような存在で
やり込み要素は薄い。どちらにしろ
ピンボールゲームなのだから
本編の台の仕掛けをもっと増やして欲しかったと思う。

熱中度は高く、
１プレイがそこそこ長めなので
あっという間に数時間たってしまうという
時間を忘れてプレイできる名作だ。

ストーリー以外の台では
セーブして終了が行えるのも○。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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