天外魔境シリーズがGBA版で登場。
任天堂が監修している珍しい
天外魔境シリーズの１作品。

フリーシナリオ、トレーディング可
ということで
携帯電話の「モバイル天外魔境」と似ているのかなと
思ったが、全く違った。

フリーシナリオではなく、シナリオの順番が選択可能な
どちらかといえば古いタイプのRPG。
サブシナリオをほおっておくことも可能だが
仲間になるはずのキャラクタが仲間にならなかったり
アイテムが手に入らないなど
プレイヤーにとっての不都合が起きるので
誰がプレイしても同じようなシナリオになるのではないかと思う。

天外魔境は和風な雰囲気が色濃く出ているのが特徴だが
今回は日本っぽい街に加えて
中国っぽい土地、南国っぽい土地もあり
普通のRPGに近くなってしまった。

キャラクタが濃く、敵もそれぞれにストーリーを持っていて
シナリオ自体は面白いと思う。
青の天外は
魔石システム、
お使いシステムのTTC、カジノが面白いと思う。
魔法は魔石として合成しなければ使うことが出来ず、
経験値の少ない雑魚でも魔石を集めるために
戦う意義が出てくるのは○。

魔法の効果も分かりやすく、
水の魔法に弱い敵に水の魔法をかけた場合
表示されている効果の３倍以上のダメージを与えることも可能。

天外Ⅱにあった「奥義」のようなシステムもあり
戦いようによっては
レベルの低い状態でも敵と互角以上に戦うことが出来る。

GBAということもあり
戦闘画面や魔法のエフェクトは地味なのだが
システムが練りこまれているので
戦闘が楽しい。
カートリッジなので読み込みもなく快適。

残念なのが、次にどこにいけばよいのかが
分からなくなることが多発する点。
フリーシナリオなのでストーリーの順番が定まっていないのが
原因なのかもしれないが
地図上で反対側に位置する町で
次のイベントが起こるようなことも多く
攻略サイトや攻略本で予備知識が無い場合、
あらゆる町をさまようハメになってしまう。

序盤のイベント終了後から
こんな感じなので
私は最初から攻略サイトに頼りっきりになってしまった。

天外魔境はビジュアルシーン過多の印象が強いが
このゲームは例外的に
ビジュアルで魅せるシーンは少ない。
丁寧に作りこまれた背景は素晴らしいが
どちらかというと地味な作品に落ち着いてしまっているのがもったいない。

あとは、天外シリーズ全作に登場していたマントーが
今作には全く登場しない。これは減点。

音楽は素晴らしい。
雰囲気満点で
GBAとはいえ音質は優れている。

惜しい部分もあるのだが
全体的に見ると
天外の外伝に相応しい
シリアスな話のGBAの隠れた名作。


文：中古ゲームジャパンてんちょー
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