パッケージだけを見ると美少女ゲームの雰囲気が漂うのだが
パッケージの赤い部分は実は血液を指でなぞるという演出で
ゲームのディスク2にはパッケージに塗られたと思われる
指紋と血のりが印刷されているという
狂気に満ちたソフト。
本質的にこのゲームは
美少女ゲームではなく、恐怖系ゲームだと思う。
少女レインの精神病がテーマ。
PSなのに中学生である主人公が
裸で走り回るムービーやらシャワーシーンまで収録、
殺人・出血シーンも多い。
被害妄想や分裂症の症状や精神病の専門用語が
普通にストーリーに登場する内容でありながら
18禁指定されていないのが奇跡というべきソフトだと思う。
小学生がこのソフトを真剣に遊んだ場合、トラウマになる危険性が高い。
ゲーム内容は、メニューから項目を選んで
音声若しくはムービーファイルを見てストーリーを追うもので
ミニゲームの類は存在しない。
閲覧ムービーが増える鍵のような項目や
ディスク2へ移動するために必要な項目といった
ゲーム的な要素も多少含まれているのだが
基本的には見ていないムービーを探して閲覧する、という行為を繰り返す。
断片的に語られるストーリーは設定が練りこまれている印象。
完成度の高いストーリーである上に
ユーザーにストーリーを補完させるような仕組みをとっているので
印象に残りやすい。
同じようなシーンが複数のシーンで語るような演出もあり、
より深くシナリオを覚えられるような工夫も○。
精神病がテーマなので
この病気に対する偏見・嫌悪感を持つ人には
最後までプレイし続けることは苦痛になると思う。
内容は主に
精神病患者のレインとカウンセラーのトーコさんとの
カウンセリングやレイン・トーコの日記を閲覧して
断片的に語られるストーリーを追っていくこと。
被害妄想状態のレインが風邪で学校を休んでいる日に
「クラスメートはきっとズル休みだと思っている」と語るといった
聞いているだけで憂鬱になってしまいそうなセリフが多く
精神に響くような怖さ・悲しさを感じてしまう。
被害妄想的なセリフの数々に共感してしまう人には
やや危ないソフトといえる。
特に、レインの日記や
DISK2には憂鬱な気分になるような日記が多いので
鬱傾向な人や失恋したばかりの人、
親や親友を亡くしたばかりの人といった
精神的に不安定な人はこのソフトはやるべきではないと思う。
だんだんと狂気を帯びてくるシナリオは
静かな怖さを感じる。
直接精神を揺さぶるようなセリフの数々は見ていて怖い。
精神病がテーマなので、表現の狂気度合いは容赦が無く、
プレイしているこちらも胸が痛くなってくるほど。
画面は美麗に仕上がっており、
メニュー画面でフルアニメーションで動くレインや
完成度の高いムービーは好印象。
それだけに、メニューの項目選択時の
反応の鈍さはどうしても気になるところ。
ボタンを押してからの反応が鈍いので、
押し間違ったときはイライラする。
ただ、このメニュー周りの操作が劣悪であることで
ある程度救われているのも確か。
ストーリーが救いが無い上に完成度が高く、
声優の演技もバツグンに上手いので
レインの世界に没頭してしまう危険性があるのだが
劣悪な操作性のおかげで
気持ちを現実世界に引き戻してくれる。
操作にイライラするおかげで嫌悪感・恐怖感が薄れるのだ。
特に、中盤になると再生できるデータを探すために
このメニューの操作を駆使しなければならなくなるので
いやがおうにも現実世界に戻してくれる。
例えば、今現在の時点で
PS1のバイオハザードを遊んだ場合、
怖さを感じる前に
最新世代のゲーム機と比べて圧倒的に画質が悪い事実に
先に目がいってしまい、
ポリゴン欠けや処理落ちを起すゾンビに
興ざめするのと同じような効果があるのではないかと思う。
メニュー周りの操作性の悪さは確かに難点なのだが
総合的に考えると
完成度が非常に高いと言ってよいのではないかと思う。
私は基本的にはやり込みをやらず、
1度エンディングを迎えたらレビューを書くことにしているのだが
シリアルエクスペリメンツレインについては
結局完全に近い形まで閲覧するほど没頭してしまった。
基本的にホラーゲームが苦手なのだが
レインについては(ある程度の嫌悪感はあるものの)
先が気になり、どういう続きがあるのか見てみたくなってしまう。
断片的にストーリーが語られ、
音声・映像データもバラバラな状態で配置されているので
前の部分のストーリーをもう一度見ようとしても
思ったシーンを再生するのが難しいのが唯一残念なところ。
精神病を扱う危険なソフトで
特にDISK2以降は
レインが自分の世界に引き込もうとする
危険な演出も発生するようになるため
購入には注意を要したい。
音楽は美麗。
オルゴールのような癒し系の音楽が
逆に精神病の狂気を感じさせる。
良く聞くとザーというノイズが流れているのも
不気味さを感じる。
サブリミナル効果が含まれているとは
思えないが、ノイズの入った音楽に包まれて
プレイしていると
こちらもだんだんと憂鬱になっていくような印象を持った。
主人公の声優は当時女子高生だったらしいのだが
そんなことは微塵も感じさせない迫真の演技は見事。
素人っぽさを全く感じさせず、
ストーリーに没頭できるのは
声優の名演技のたまものだと思う。
精神に直接作用するほどの威力がある
とてつもない魅力を持つ危険なソフト。
ゲームを超えた、危険な何かといったほうがいいかもしれない。
文:中古ゲームジャパンてんちょー
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次は本当にたのむぞい!