ゲームユーザーの間で
定評のある会社の１つにトレジャーがあります。
トレジャーのゲームの多くが
プレミア化し、中古では
新品より高い値段を出さなければ
買えないようなソフトが多いことからも
このメーカーの信頼度の高さがうかがい知れます。

「はじめの一歩」はトレジャー製ですが、
上記の確固たる信頼度の高さと比較すると
残念な出来栄えになってしまっています。

画面は、「マイクタイソンパンチアウト」のようなスタイルで
自分のキャラクタはグローブ。
自分のキャラクタの顔も無く、グローブを動かすスタイルが違和感を持ちました。
キャラクターゲームなので
キャラをもっと前面に押し出してほしかったところ。

キャラクタのボイスの音割れが気になります。
風邪引いたような声が残念。
ＧＢＡは発売ソフトによって
音質に天地ほどの違いがあるのですが
このゲームは下位のほうのソフトに
含められると思います。


ゲーム展開の単調さ。
よけて撃つ。よけて撃つ。
ラウンドの合間に回復。
ボクシングで、原作のストーリーもあるので
突飛なことが出来ないものですが
もう少し遊ばせてほしかったところです。


このゲームの一番の難点は
ストーリーモードを選ぶと
ストーリーの説明もなく、延々と試合が続くことです。
全く原作を知らない私は
ストーリーを知ることが
出来ませんでした。

「セーブしました」などの
状態を知らせる画面が
なぜか紫色で
物凄くチープなのも
このゲームの価値を下げている大きな原因の一つだと思います。

大雑把に作られていて
細かい部分の手抜きが酷すぎる。
試合中の相手選手のアニメーションパターンは
結構豊富で見ごたえがあるのだが
いかんせん単調すぎるため
せっかくの原作の味が生かしきれていない。

やりこみ要素も少なく、
各種オプション画面がチープすぎて
ゲーム性が皆無、単調。
ストーリーモードも
ただの勝ち抜き戦と化している。

トレジャー製で評判が悪いといえば
「シルフィードロストプラネット」を思い出すが
あのソフトは期待が物凄かった反動であって
実際のゲームは良好だった。

派手で奥深い
アクションゲームを作る会社としては
任天堂の上をゆくトレジャーだが、
今回ははずしている印象です。

トレジャー製でこの出来栄えというのは
非常に珍しく、
トレジャーファンであれば
あえて揃えておきたい作品。



文：中古ゲームジャパンてんちょー
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